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「身体の健康お役立ち情報」のバックナンバーは次のリンクをクリックしてご覧になることができます。

からだの健康お役立ち情報 バックナンバー

14. 身体の健康お役立ち情報・・・「ロコモ予防」(2017/12)


 何時までも自分の足で歩き続けていくために、運動器を長持ちさせロコモを予防して健康寿命を延ばしていくことが必要です。

*ロコモとは運動器(筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板等)症候群のことです。
 ロコモを予防するために暮らしの中に運動習慣を取り入れましょう。


 ふれあい健康体操のメニューに取り入れました「ロコモ予防体操」は、激しい動きがなく太極拳的なゆったりとした 動きで家の中でもできる運動です。

 状態や実施時間に応じて、組み合わせを選択して行うこともできます。
内容は足腰を鍛えることを主軸に置いており、次の3項目に効果的です。

 ・筋力アップ
 ・ストレッチ
 ・バランスアップ

 ロコモについて下記HPで理解を深めましょう。
日本整形外科学会公認「ロコモ チャレンジ!推進協議会 WEB サイト(外部リンク)」のロコモチャレンジ!を紹介いたします。



13. 身体の健康お役立ち情報・・・高齢者こそ筋力トレーニングを (201707)

 高齢者こそ筋力トレーニングを
 要支援・要介護となる日を先送りするために

石澤 芳朗


1 はじめに

 先日「ふれあい健康体操の会」の公園体操で定番メニューのラジオ体操等に加えて筋力トレーニング(「筋トレ」)をしっかり行いました。すると、参加者のなかに「高齢者になんでまた筋トレなんか、スポーツ選手じゃあるまいし」と顔に書いてあるような方が複数見受けられました。今は元気でも数年先には要支援・要介護となる日が来るかも知れないと頭では理解しても、いざその日が来るまでは他人事にしか思えないというのが多くの高齢者の実情と推測されます。

この小稿の執筆を思い立ったのは、「健康長寿」を望む方にとって、筋トレは必要不可欠という筆者の持論を地域の大勢の高齢者仲間と共有したいとの思いからです。

 しかし、最初にお断りしなければいけないのは、筆者は高齢者を対象とする医学、社会学、経済学等の研究者ではなく、高齢者と言われる年齢に差し掛かってから興味を覚えて聞きかじった程度の素人、門外漢ということです。以下に述べるのは、そのレベルの言説です。学問的な正確性・完全性は保証できません。「ナァーンダ」と思った方は、この先をお読みにならないように。

2 あなたが今後4年以内に要支援・要介護となる可能性はどれほどか

 千葉大学などの研究チームが最近開発した「約4年以内に要支援または要介護となる可能性」を数値化するための「10の質問」による評価尺度があります。
「要介護・要支援リスク評価尺度」外部リンク(https://www.jages.net/?action=common_download_main&upload_id=2669)
この研究チームは、この評価尺度の開発にあたり、ある政令指定都市の高齢者(65歳以上)約7.2万人を分析対象として、2011年から約4年の間に新規に要支援または要介護の認定を受けた対象者約1.1万人(15.3%)の属性を調査・分析しました。

 この評価尺度は、「10の質問」に対する回答の内容と回答者の属性(性別・年齢)によってリスク点数(0〜55)が付けられ、その点数によって回答者が今後約4年以内の間に要支援・要介護となる可能性を%で示すというものです。早速筆者(76歳男性)の可能性(%)を調べてみると、5歳刻みの年代別に割り当てられるリスク基礎点が8、「10の質問」に対する回答によるリスク点数はゼロ、合計8点となり、今後約4年以内の間に要支援・要介護となる可能性は3.2%と出ました。こう書くのは筆者が自慢したいためではありません。筋トレを実行すれば、「10の質問」に対する回答によるリスク点数は容易にゼロないし数%に抑えられることを読者に伝えたいからです。疑い深い読者のために、以下、「10の質問」を示します。

   1 バスや電車で、一人で外出していますか →×は3ポイント
   2 日用品の買い物をしていますか →×は1ポイント
   3 預貯金の出し入れをしていますか →×は2ポイント
   4 階段の手すりや壁を使わずに登っていますか →×は5ポイント
   5 椅子に座った状態から何にもつかまらずに立上っていますか→ ×は3ポイント
   6 15分くらい続けて歩いていますか →×は3ポイント
   7 この1年間に転んだことがありますか →○は3ポイント
   8 転倒に対する不安は大きいですか →○は3ポイント
   9 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が18.5未満ですか →○は3ポイント
  10 去年と比べて外出の回数が減っていますか →○は3ポイント

 「10の質問」のうち、4、5、6、7、8は直接的に筋力の問題であり、筋トレによって確実に解決します。1、2、3、10も筋力の問題である可能性があります。そうであれば、これも筋トレによって解決します。9はメタボ問題ですから、筋トレだけでの解決は無理ですが、有酸素運動及び飲み食い習慣の見直しと組み合わせての解決・改善の可能性が見込まれます。読者の中に「10の質問」への回答で何ポイントも計上しながら、「高齢者に筋トレなんて、スポーツ選手じゃあるまいし」とおっしゃる方がいたら、「カラスの勝手」というしかありません。


3 筋トレなしでは減少の一途をたどる高齢者の筋肉

  中年になっても若い時と体重が変わらないことを自慢する人がいます。筋肉労働者でもプロのアスリートでもなく熱心なスポーツ愛好者でもないとすれば、これは自慢になりません。体重が変わらないのは、単に筋肉が脂肪に置き換わっただけです。私は、30年ほど前、ある大学の先生が「60歳になって20歳の時と同じ体重の普通の人がいたとして、その人の体に含まれる筋肉の量は40年間でほぼ半減している」と話すのを聞いて衝撃を受けた記憶があります。

 一般の人の筋肉量は20歳くらいでピークに達し、30歳を過ぎると毎年1%ずつ減少しますが、そのペースで減少するのは50歳くらいまでで、その後は年々急速に減少率がアップし、倍の毎年2%減になると言われています。単純に計算しても、50歳で20%減、60歳で40%減、70歳で60%減です。(100歳で筋肉ゼロとはなりません。あくまで平均の話です。100歳は平均から大きく外れる長寿ですから、もともと平均が当てはまりません。)


4 筋肉が果たす様々な役割と筋肉量の減少がもたらす様々な不都合

 筋肉は、体を動かしたり力仕事をしたりするほかに様々な役割を果たしています。筋肉が減少すれば本来の役割を果たせず、様々な不都合が起こります。以下、筋肉が果たしている主要な役割とそれが果たせなくなる場合の不都合を示します。

 ● 体の部位を動かす、キープする
   →スタスタと歩けない、階段、坂道がつらい、疲れやすい、外出がおっくう、膝痛
 ● カロリーを消費する
   →消費しきれないカロリーを脂肪に換えて肥満体型に、そして諸々の成人病になりやすい
 ● 水分を蓄える(体の水分の70%を引き受けます)
   →熱中症になりやすい
 ● 発熱して体温を維持する(血行をよくする)
   →冷え性、風邪をひきやすい、脳の血行不良による認知症
 ● 免疫力を高める
   →病気になりやすい、ガンも
 ● 心臓や循環器の働きを助ける
   →スタスタと歩けない、重いものを持てない、階段、坂道がツライ、疲れやすい
 ● 基礎代謝(内臓を動かす、体温を保つなどのエネルギー消費)を助ける
   →太りやすい、痩せにくい、疲れやすい、冷え性、肌荒れ・しみ・しわ


5 衰えた筋肉は、筋トレによって元に戻せるのか

 「元に戻す」といっても、高齢者の筋肉量を20代の若者並みに戻すのは無理です。しかし、高齢者の筋肉量が筋トレによって顕著に増加することはすでに実証されている事実です。たとえば、米国タフツ大学の研究者が平均90歳の被験者グループに8週間の筋トレを実施したところ、筋力が約2倍に増え、太ももの大きさも9%増加したという報告があります。222筋肉量の増加によって諸々の良くないことが解消・改善されるのですから、やらない手はありません。


6 筋トレは、どこでどうやるのがよいか

 一番のお勧めはフィットネスジムに入会することです。専門家の指導を受けることができ、筋トレに熱心に取り組む他の会員を間近に見ることにより刺激を受けることができます。ついでにジムが提供する筋トレ以外のメニューを体験することができ、いろんな人と接することができます。費用はかかりますが、筋肉量の減少による様々な良くないことが解消・改善されるならば、安いものではないかと考えましょう。


 フィットネスジムに入会しないで、又はそれに加えて、「ふれあい健康体操の会」が3つの公園で実施している朝の健康体操に参加するという選択肢もあります。ただし、好きな日の好きな時間帯に行くのは無理、屋外ですから雨天の場合は中止、公園ですから立ったままのメニューしかない、筋トレ用のマシンはないなどのデメリットがあります。

 もう一つの選択肢として、やる気さえあれば、自分一人でもできます。用具はなくても、自宅でできるメニューはたくさんあります。しかし、しっかりした目的意識と強い自己規律がないと長続きしないでしょう。

 なお、筋トレをどこでどうやるにせよ、高齢者の場合、一番大切なのは、無理をしないことと継続することです。(継続と頻度は別です。週1回でも、やらないよりはマシです。思い立った時に、という程度でもよいのです。)


7 最後に

 「高齢者こそ筋トレを、皆さん早速始めましょう」「はい、分かりました」「メデタシメデタシ」と簡単にいかないのが世の習いです。筋トレは、その必要性を頭で理解するのは簡単ですが、実際に実行に移し、持続できるかは別の問題です。筋トレのメニューは、何しろやって面白いものではありませんから、目的意識を持って修行者のように黙々と取り組むというのは、できる人とできない人がいます。

 私はフィットネスジム歴35年になり、今のジムは5つ目ですが、どこでもジムのメンバーの多くは、筋トレ目的でなく、ダンス系やヨガ系のプログラムのためのジム通いであり、数十台を数 える筋トレのマシンには全く又は滅多に寄り付かないようです。私が長年続いているのは、学生時代からのテニス、登山、スキー愛好者で体力に自身があったのが40歳を前にして体力の衰えを 実感し、何とかしたいという強い気持ちがあったからでしょう。後期高齢者となった今、テニスも登山も昔のことになり、残るはスキーだけですが、地球の重力で上から下に滑り降りると言っ ても、毎年2%ずつの筋肉量減少という 冷厳なデータを示されては、ジム通いをやめる選択肢はありません。

いずれスキーもやめる日が来るでしょうが、そうなっても足腰が立つ限りはジム通いを続けるでしょう、前記の「約4年以内に要支援・要介護となる可能性」の評価尺度が励みとなって。

12. 熱中症予防  (2017/07)

 

 
  関東地方は梅雨がないまま梅雨明け宣言が出てしまいました。
布施新町は雨が極端に少なく猛暑が続いております。
熱中症予防として、昨年掲載致しましたこの記事を再度ご参考にお読みください。

  「熱中症予防」 2016年7月掲載記事

                          

11.「第3回栄養とからだの健康チェック」結果のお知らせ(2017/05)

 

みんなで励む健康づくりの一環として、“ふれあい委員会”主催の「栄養とからだの健康チェック」
第3回講習会が柏市フレイル予防グループ支援事業として5月に実施されました。
参加者は77人(男性37人、女性63人)と昨年の100人より20%程度減少しました。
講師の説明を受けた後、参加者は慣れた手順で11項目のテストを楽しみながらこなしました。
3年連続の参加者は男性14人、女性15人合計29人でした。


ふくらはぎ周囲長測定 健康チェックの説明

5月18日、19日に例年と同じように布施新町二自治会連絡協議会「ふれあい委員会」と
布施新町いきいきネットワーク「ふれあい健康体操の会」の協働運営で実施されました。

健康チェック結果の分析はこのリンクをクリックしてください。

                         

10. 身体の健康お役立ち情報・・・フレイルサイクルの理解と予防 (2017/05)



 H27年から実施してきました「栄養とからだの健康チェック」を今年も開催いたしました。

 東大高齢社会総合研究機構の指導で始まった栄養とからだの健康チェックも今年で最終回となりました。 初回の健康チェックでは『サルコペニア』という考えを学びました。ここをクリックして「初回に講義をいただいた飯島教授の概念図をご参照ください。」

 最近、新しく注意を呼び掛けている『フレイル』という概念がありますが、フレイルとは、年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態を言います。

 このフレイルのメカニズム(フレイルサイクル)をよく理解いたしましょう。そしてサイクルを断ち切る、またはサイクルのスピードを遅くするよう日常の生活をコントロールすることが重要です。


図:「フレイルサイクル 1)より改変」から抜粋

 フレイルの予防については健康長寿ネットのホームページをご紹介いたしますので、ご覧ください。「健康長寿ネット」(外部リンク)


9. 第3回『栄養とからだの健康チェック』案内(2017/03)


  H27年から実施してきました「栄養とからだの健康チェック」を今年も開催いたします。東大高齢社会総合研究機構の指導で始まった「栄養とからだの健康チェック」も今年で 最終回となります。
最近、新しく注意を呼び掛けている『フレイル』という概念がありますが、フレイルとは、年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態を言います。
このフレイルをチェックすることで健康増進の気づきの一助となります。
どうぞ奮ってご参加ください。

 

                     記

1.   日時  5月18日(木)5月19日(金)13:00受付 133015:30 

   主として18日(木)は1〜2町目の方、19日(金)は3〜4町目の方が受診してくだされば人数が均等化するものと期待しています。

2.   場所  ふるさとセンター

3.   内容  ・ミニ講義と11の質問 ・滑舌チェック ・運動機能チェック(椅子立ち上がり、ふくらはぎの周囲長)・オプションチェック(握力、体組成計での測定)


 

[3回栄養とからだの健康チェックの申し込みについて]

1.参加ご希望日の選定

  518日(木) 1300受付  13301530

   主として1丁目、2丁目にお住まいの方がご参加ください

  519日(金) 1300受付  13301530

   主として3丁目、4丁目にお住まいの方がご参加ください

 但し、日程の都合上、上記のお住まい区分に関係なくお申し込みいただいてもかいません

 

2.申込書のご提出先

 下記申込書を「ふれあい健康体操会場で健康体操スタッフ」にお渡し下さい。或いは

 ・三井柏自治会員 :班担当役員にお渡し下さい。

 ・布施新町自治会員 :支部長にお渡し下さい。

3.ご提出期限 :来たる 5月7日までにご提出ください。

二自協ふれあい委員会 ・ふれあい健康体操の会

      ・・・・・・・・・・・・・(切り取り線)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

3回≪健康寿命をのばす栄養とからだの健康チェック≫参加申込書

ご家族でご参加の方は、連名でお願いいたします。

・お名前 :

 

 

・ご住所 : 布施新町    丁目    番

・参加ご希望日:いずれかに○をお付けください。

(ご家族でご参加の日にちが違う方は、それぞれの日にお名前をご記入ください。)

    ・5月18日(木)

         ・5月19日(金)

    
 


8. マインドフルネス瞑想のすすめ−ストレス軽減のすぐれた技法−( 2017/02)

石澤芳朗  
「マインドフルネス瞑想」とは

「マインドフルネス瞑想」は、その名が示すように「瞑想」のテクニックの一つですが、ここ数年、新聞、テレビ、インターネットで紹介され、ご存知の方が多いと思います。「マインドフルネス瞑想」の「マインドフルネス」(mindfulness)は英語の形容詞mindfulの名詞形で、「心に留めること」、「注意すること」という意味ですが、何を心に留め、あるいは注意するのかというと、今この瞬間に自分の体や心に起きている経験に意識的に注意を向けることを指して「マインドフルネス」というのが「マインドフルネス」(mindfulness)あるいは「マインドフルネス瞑想」(Mindfulness Meditation)の提唱者たちの最大公約数的なところのようです。

瞑想は、東洋ではヒンドゥー教のヨーガや仏教の座禅に代表される宗教者の修行の技法として数千年の歴史があるのに対して、西洋ではその宗教色が壁となって長いこと、ほとんど知られることがなかったようです。 しかし、1970年代に入ってから瞑想がヒトの健康面に与える利益に着目して研究対象とする科学者たちが現れ、特に近年は脳科学の進歩と相まって、医学、生理学、心理学等の分野での研究報告が次から次へと発表されています。このような流れの中で、以前は宗教者の修行あるいは怪しげなオカルトや超常現象とみなされていた瞑想が宗教抜きの心と体の健康テクニックとして評価されるようになりました。

「マインドフルネス瞑想」は、誰でも無理なく簡単にできる瞑想でありながら、ストレス軽減効果が大きい点が評価され、今やアメリカを中心とする多くの国々のビジネスパーソン、医師、弁護士、会計士等の専門職、デザイナー、画家、俳優、音楽家等のクリエイティブな仕事に従事する人たちの間で一種の社会現象となり、さらには医療や教育や受刑者更生等の分野でも取り入れられています。

筆者は、まだ「マインドフルネス瞑想」という言葉がなかった1980年代にアメリカで人気のあった「超越瞑想」(Transcendental Meditation)を専門家に教えてもらい、その効果を実感しました。その経験から、最近の「マインドフルネス瞑想」の流行現象に関心を持ってきたところ、最近アメリカの週刊誌「TIME」の増刊号「マインドフルネス・・・健康と幸福の新しいサイエンス」(MINDFULNESS, The New Science of Health and Happiness )が出たことを知り、アメリカAmazonから電子版を購入しました。その内容は多岐にわたりますが、以下、そのほんの一部を紹介します。
 
  マインドフルネス瞑想の効果

科学的研究報告によると、マインドフルネス瞑想の効果として、「ストレスの軽減」、「血圧の低下」、「アルツハイマーの進行速度の緩和」、「ヘビースモーカーの禁煙成功」、「痛みの緩和」などが報告されている。

「ストレスの軽減」は、脳から出る幸福物質(セロトニン、ドーパミン、エンドルフィン)の効用。ストレスが軽減すると、血圧が低下し、リラックスすることによって副交感神経の働きが高まり、消化がスムーズになることが報告されている。ジョンズホプキンス大学の研究者は、「マインドフルネス瞑想は、不安症候群の治療に使われる抗うつ剤と同等以上の効果があるかもしれない」と報告している。
「痛みの緩和」は、瞑想によって脳内の痛み処理エリアの活動が変化することによってもたらされるらしいとの報告がある。

マインドフルネス瞑想のやり方

どこでやるのか・・・静かな場所が望ましいが、歩行中でも仕事中のデスクでもスーパーのレジの行列に並んででも、要するにどこでもよい、という専門家が多い。

具体的にどうやるのか・・・瞑想というと、目をつぶり、雑念を追い払い、無念無想で、となるのかと思いきや、そういう堅苦しいことは要求されない。落ち着きが感じられるならば、目は開けたままでもよい。大切なことは、鼻、胸、腹どこでも、自分の呼吸を感じることに注意を向ける。一回の呼吸を完全に感じることができたら、次の呼吸を。これを続けるだけ。過去(何分前でも過去は過去)や将来(同じく瞑想が済んだらすぐにでも「将来」)のついての雑念が浮かんだら、それを追い払おうとするのでなく、自分の今、現在の呼吸を感じることに注意を向けていると自然に通り過ぎてくれる。次の雑念も同様に。

何分間やるのか、毎日やるのか・・・専門家により、時間は10分、20分、30分、いろいろだが、5分でも3分でも効果はあるという。毎日やるのが理想だが、これもフレキシブルに。

マインドフルネス瞑想で重視される「深くゆったりした呼吸」については、次のような効果が報告されている。

●脳内の抗うつ活動に関わるエリアを活性化し、しあわせ感を高める。
●寝る前に20分間行うことにより、夜間目を覚ます回数が減少したとの報告。
●週2回のヨガを8週間続けた健康な女性たちが不安感の顕著な減少を示したとの報告。
●毎日30分行うことにより、を高血圧症の人たちの血圧が下がり、それが1か月後も続いたとの報告。
●毎日数回行うにより、より多くの酸素を取り入れることができるようになり、酸素消費量が37%増加したとの報告。

アメリカの仏教尼僧が勧める5分間瞑想のやり方

アメリカの仏教尼僧で「非瞑想者のための瞑想」(Meditation for Non-meditators)というタイトルの著作を持つジャネット・ニマ・テイラー(Janet Nima Tayler)は、5分間瞑想を勧める。そのやり方は、イスに楽な姿勢で座り、靴下を脱いで、両足を床にフラットに置き、次のとおり1分間ずつ5つのステップで行う。

最初の1分間(深い呼吸)・・・イスに深く腰掛け、膝を適度に開き、太ももの上に両手を置く、手のひらは上向き。目は閉じるか、あるいは開いたままで、1、2メートル先をぼんやりと見る。(閉眼は体の内面働きへの集中を助け、開眼は外的な邪魔の中で静謐を保つ能力を高める。)足裏で床を感じる。そして深い呼吸を鼻、口、または両方から、どれでも自分が一番楽なように、4つ吸い、6つ吐く。これを繰り返す。       
         マインドフルネス瞑想を行なう筆者
次の1分間(自分の自然なペースを見つける)・・・呼吸を数えるのをやめ、ゆったりしたリズムで呼吸を続ける。呼吸がどんな風に感じられるか、深すぎないか、浅すぎないか、いつものリズムと比較する。(通常、人は1日中、短く浅い呼吸で過ごす。それでは血中の酸素が奪われ、エネルギーのレベルが下がる。)腹部から肩に向かっての体の感覚の上昇と下降を感じる。

中間の1分間(集中の持続)・・・呼吸への気づきを続ける。雑念が浮かんだら、押しのけようとしたり、とらわれたりしないで、雑念がひとつ浮かぶ都度、空を流れる一つの無害な雲を思い浮かべよう。この視覚化テクニックにより、気になる雑念に対して感情的に反応せず、これを認めることができるようになる。それでも雑念が消えないときは、雑念を紙にメモした後、瞑想に戻る。

次の1分間(リラックス)・・・呼吸への集中をやめ、ただ座っているだけ。何もしなくていい、直さなくていい、変えなくていい、と自分に言い聞かせよう。

最後の1分間(感謝)・・・何か自分が感謝したいこと、ありがたく思うことを思い浮かべよう。そしてゆっくりと、今自分の体をどう感じるか、筋肉のリラックスした状態や心臓の鼓動の安定具合に意識を移そう。両目を開け、立ち上がる。
さあ、今日やることに取り組もう、静かに、クールに、そして集中して。

以上で5つのステップが完了です。さあ、トライしてみませんか。
 
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