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13. 身体の健康お役立ち情報・・・高齢者こそ筋力トレーニングを (201707) |
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高齢者こそ筋力トレーニングを 要支援・要介護となる日を先送りするために 石澤 芳朗 1 はじめに 先日「ふれあい健康体操の会」の公園体操で定番メニューのラジオ体操等に加えて筋力トレーニング(「筋トレ」)をしっかり行いました。すると、参加者のなかに「高齢者になんでまた筋トレなんか、スポーツ選手じゃあるまいし」と顔に書いてあるような方が複数見受けられました。今は元気でも数年先には要支援・要介護となる日が来るかも知れないと頭では理解しても、いざその日が来るまでは他人事にしか思えないというのが多くの高齢者の実情と推測されます。 この小稿の執筆を思い立ったのは、「健康長寿」を望む方にとって、筋トレは必要不可欠という筆者の持論を地域の大勢の高齢者仲間と共有したいとの思いからです。 しかし、最初にお断りしなければいけないのは、筆者は高齢者を対象とする医学、社会学、経済学等の研究者ではなく、高齢者と言われる年齢に差し掛かってから興味を覚えて聞きかじった程度の素人、門外漢ということです。以下に述べるのは、そのレベルの言説です。学問的な正確性・完全性は保証できません。「ナァーンダ」と思った方は、この先をお読みにならないように。
千葉大学などの研究チームが最近開発した「約4年以内に要支援または要介護となる可能性」を数値化するための「10の質問」による評価尺度があります。 「要介護・要支援リスク評価尺度」外部リンク(https://www.jages.net/?action=common_download_main&upload_id=2669) この研究チームは、この評価尺度の開発にあたり、ある政令指定都市の高齢者(65歳以上)約7.2万人を分析対象として、2011年から約4年の間に新規に要支援または要介護の認定を受けた対象者約1.1万人(15.3%)の属性を調査・分析しました。 この評価尺度は、「10の質問」に対する回答の内容と回答者の属性(性別・年齢)によってリスク点数(0〜55)が付けられ、その点数によって回答者が今後約4年以内の間に要支援・要介護となる可能性を%で示すというものです。早速筆者(76歳男性)の可能性(%)を調べてみると、5歳刻みの年代別に割り当てられるリスク基礎点が8、「10の質問」に対する回答によるリスク点数はゼロ、合計8点となり、今後約4年以内の間に要支援・要介護となる可能性は3.2%と出ました。こう書くのは筆者が自慢したいためではありません。筋トレを実行すれば、「10の質問」に対する回答によるリスク点数は容易にゼロないし数%に抑えられることを読者に伝えたいからです。疑い深い読者のために、以下、「10の質問」を示します。 1 バスや電車で、一人で外出していますか →×は3ポイント 2 日用品の買い物をしていますか →×は1ポイント 3 預貯金の出し入れをしていますか →×は2ポイント 4 階段の手すりや壁を使わずに登っていますか →×は5ポイント 5 椅子に座った状態から何にもつかまらずに立上っていますか→ ×は3ポイント 6 15分くらい続けて歩いていますか →×は3ポイント 7 この1年間に転んだことがありますか →○は3ポイント 8 転倒に対する不安は大きいですか →○は3ポイント 9 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が18.5未満ですか →○は3ポイント 10 去年と比べて外出の回数が減っていますか →○は3ポイント 「10の質問」のうち、4、5、6、7、8は直接的に筋力の問題であり、筋トレによって確実に解決します。1、2、3、10も筋力の問題である可能性があります。そうであれば、これも筋トレによって解決します。9はメタボ問題ですから、筋トレだけでの解決は無理ですが、有酸素運動及び飲み食い習慣の見直しと組み合わせての解決・改善の可能性が見込まれます。読者の中に「10の質問」への回答で何ポイントも計上しながら、「高齢者に筋トレなんて、スポーツ選手じゃあるまいし」とおっしゃる方がいたら、「カラスの勝手」というしかありません。 3 筋トレなしでは減少の一途をたどる高齢者の筋肉 中年になっても若い時と体重が変わらないことを自慢する人がいます。筋肉労働者でもプロのアスリートでもなく熱心なスポーツ愛好者でもないとすれば、これは自慢になりません。体重が変わらないのは、単に筋肉が脂肪に置き換わっただけです。私は、30年ほど前、ある大学の先生が「60歳になって20歳の時と同じ体重の普通の人がいたとして、その人の体に含まれる筋肉の量は40年間でほぼ半減している」と話すのを聞いて衝撃を受けた記憶があります。 一般の人の筋肉量は20歳くらいでピークに達し、30歳を過ぎると毎年1%ずつ減少しますが、そのペースで減少するのは50歳くらいまでで、その後は年々急速に減少率がアップし、倍の毎年2%減になると言われています。単純に計算しても、50歳で20%減、60歳で40%減、70歳で60%減です。(100歳で筋肉ゼロとはなりません。あくまで平均の話です。100歳は平均から大きく外れる長寿ですから、もともと平均が当てはまりません。) 4 筋肉が果たす様々な役割と筋肉量の減少がもたらす様々な不都合 筋肉は、体を動かしたり力仕事をしたりするほかに様々な役割を果たしています。筋肉が減少すれば本来の役割を果たせず、様々な不都合が起こります。以下、筋肉が果たしている主要な役割とそれが果たせなくなる場合の不都合を示します。 ● 体の部位を動かす、キープする →スタスタと歩けない、階段、坂道がつらい、疲れやすい、外出がおっくう、膝痛 ● カロリーを消費する →消費しきれないカロリーを脂肪に換えて肥満体型に、そして諸々の成人病になりやすい ● 水分を蓄える(体の水分の70%を引き受けます) →熱中症になりやすい ● 発熱して体温を維持する(血行をよくする) →冷え性、風邪をひきやすい、脳の血行不良による認知症 ● 免疫力を高める →病気になりやすい、ガンも ● 心臓や循環器の働きを助ける →スタスタと歩けない、重いものを持てない、階段、坂道がツライ、疲れやすい ● 基礎代謝(内臓を動かす、体温を保つなどのエネルギー消費)を助ける →太りやすい、痩せにくい、疲れやすい、冷え性、肌荒れ・しみ・しわ 5 衰えた筋肉は、筋トレによって元に戻せるのか 「元に戻す」といっても、高齢者の筋肉量を20代の若者並みに戻すのは無理です。しかし、高齢者の筋肉量が筋トレによって顕著に増加することはすでに実証されている事実です。たとえば、米国タフツ大学の研究者が平均90歳の被験者グループに8週間の筋トレを実施したところ、筋力が約2倍に増え、太ももの大きさも9%増加したという報告があります。222筋肉量の増加によって諸々の良くないことが解消・改善されるのですから、やらない手はありません。 6 筋トレは、どこでどうやるのがよいか 一番のお勧めはフィットネスジムに入会することです。専門家の指導を受けることができ、筋トレに熱心に取り組む他の会員を間近に見ることにより刺激を受けることができます。ついでにジムが提供する筋トレ以外のメニューを体験することができ、いろんな人と接することができます。費用はかかりますが、筋肉量の減少による様々な良くないことが解消・改善されるならば、安いものではないかと考えましょう。 フィットネスジムに入会しないで、又はそれに加えて、「ふれあい健康体操の会」が3つの公園で実施している朝の健康体操に参加するという選択肢もあります。ただし、好きな日の好きな時間帯に行くのは無理、屋外ですから雨天の場合は中止、公園ですから立ったままのメニューしかない、筋トレ用のマシンはないなどのデメリットがあります。 もう一つの選択肢として、やる気さえあれば、自分一人でもできます。用具はなくても、自宅でできるメニューはたくさんあります。しかし、しっかりした目的意識と強い自己規律がないと長続きしないでしょう。 なお、筋トレをどこでどうやるにせよ、高齢者の場合、一番大切なのは、無理をしないことと継続することです。(継続と頻度は別です。週1回でも、やらないよりはマシです。思い立った時に、という程度でもよいのです。)
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12. 熱中症予防 (2017/07) |
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関東地方は梅雨がないまま梅雨明け宣言が出てしまいました。 布施新町は雨が極端に少なく猛暑が続いております。 熱中症予防として、昨年掲載致しましたこの記事を再度ご参考にお読みください。 「熱中症予防」 2016年7月掲載記事 |
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8. マインドフルネス瞑想のすすめ−ストレス軽減のすぐれた技法−( 2017/02) |
石澤芳朗 |
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